- 27卒
- サマーインターン
2025年7月4日(更新:2025年7月4日)
理系学生の就活では、「元から知っていて興味のある業界」に絞ってインターンシップや説明会に参加する方もいます。それ自体はとても自然なことであり、むしろ興味や強みを活かす意味でも有効です。
でも、ちょっと待ってください。「知っている業界だけ」「周りが受けているところだけ」を基準にしていませんか?その結果、知らないうちにチャンスを狭めてしまっている可能性があります。この記事では、業界を絞りすぎることによるリスクと、視野を広げて納得のいく選択をするためのヒントをお伝えします。
まず知っておきたい、就活の落とし穴
「人気のある業界」「元から興味のある業界」だけに絞ると、様々なリスクがあります。
1、知らない業界と出会えず、社会人になってから後悔
BtoC(個人向け:自動車/家電/ゲーム等)、BtoB(法人向け:自動車部品/産業機械/半導体等)に分類した際、「BtoCは知っているけどBtoBは知らない企業が多い」って声をよく耳にします。
ただ、BtoBの製品・サービスがあるからこそBtoCが成立しており、社会人になると誰もが関わる存在となります。そのため「転職先としてはすごく人気のあるBtoB企業が、新卒採用ではほとんどの人が知らない」なんてことも珍しくありません。
これらの分類に限らず、知らない業界・職種・企業を知ることで、今までになかった視点やキャリアの目標が見つかることも。
2、絞った結果、面接で自分と合わない時のリスク
特定の業界に絞って就活を進めていると、「この業界や仕事は自分には合っていないのではないか?」と気づく学生も一定数います。
そうなると選考が上手く進まないことや、他の業界へシフトしたときに0からリサーチせざるを得ない事態に。
その時には“行きたい企業が見つかっても募集枠がなくなっている”なんてリスクもあります。
3、志望理由が薄くなる
面接では「なぜこの業界が良いのか?」「他の業界と比較してどのような魅力を感じるのか?」等の質問も多いです。
同じ業界ばかり見ていると、その業界の立ち位置や各社との違いが見えづらくなり、説得力のある志望理由が作りにくくなることも。
4、あらゆる業界の説明を聞けるのは新卒の特権
中途採用(転職活動)だとインターンシップのような機会がなく、気軽に話を聞くことが難しいです。
また「〇〇の経験が〇年以上」のように経験者向けが増えることから、「自分自身の経歴・スキル」から応募企業を探すことも。
実はあらゆる業界の話を気軽に聞けるのは新卒の特権。あとから後悔しないよう、戦略を立てて積極的に行動していきましょう。
視野を広げればチャンスも広がる
視野を広く持つことは、むしろ“戦略的”な選択です。ここでは3つのメリットを紹介します。
・メリット①:「比較」ができるから、納得感が生まれる
複数の業界・企業を見ておくと、「自分はこういう社風が好き」「この領域の技術にワクワクする」といった本音が見えてきます。比較した上で最終的な決断をすることで、悔いを残さず自分自身が納得できる就職にも繋がります。
・メリット②:受けられるチャンスが増える
選考のタイミングや形式は業界ごとに違います。幅広く見ておくと、「〇〇業界の募集はほとんど無くなったけど、まだ△△業界では応募歓迎の企業も多い」という安心感につながります。
・メリット③:意外な“強みの活かし方”に気づける
視野を広げて業界研究すると、「自分の専攻が、こんな分野でも役に立つのか!」「本当に解決したいと思える課題に出会えた!」などの発見があります。このような発見は、志望理由や自己PRを作る上でさらに深みが増していきます。
専攻分野にこだわらない選択肢
1つの学科だけを見ても選択肢はさまざま。例えば、機械工学科から自動車メーカーや産業機械メーカー等へ就職する人だけでなく、IT業界や金融業界等でキャリアを形成する人など、多種多様なキャリアを築く方々が多くいます。
過去にヒアリングを行った方々の実体験をもとに、いくつかの事例を紹介します。
1、電気電子専攻で将来は電力会社など視野に入れていたが、大学の講義で学んだプログラミングが想像以上に楽しかった。IT企業で長期インターンシップへ挑戦したところ仕事のやりがいも溢れており、そのままWebエンジニアとして就職。現在はエンジニア系のイベントへ登壇して堂々と話すなど、この道のスペシャリストとして活躍中。
2、化学専攻だが研究職よりも技術職に関心があり、化学以外にも機械や電気など視野を広げてインターンへ参加。その中から機械系の技術職(設計・生産技術)に興味を持ち、該当する企業へ積極応募。書類不採用となることも多かったが、無事に希望する仕事で内定獲得。
3、自動車に関心があり自動車メーカーへ就職したい気持ちが強かった。ただ、自動車部品メーカーの説明を聞いたとき、「ブレーキシステムなど特定の製品・技術を追求できる」「様々な自動車メーカーへ自分の作った製品を届けられる」等のやりがいを知る。どちらも内定を獲得した上で自動車部品メーカーへ就職。
4、合同説明会で話を聞いたアウトソーシング業界の企業へ応募し、すぐに内定まで決まった。就活やめるべきか悩んだところ大学の先生から「アウトソーシングで常駐先となる企業へ最初から就職する道もある」等のアドバイスを貰い、さまざまなメーカーへ応募。“全く知らなかったが興味を持てる製品”を作る企業から内定獲得。比較した上で自分はメーカーが向いていると思い、就職を決意。
※マメ知識:キャリア形成に正解はない
ここで掲げたのはごく一部の事例であり、正解は人によって多種多様。中には「機械が好きで機械工学を就職し、現在は機械設計のプロとして頼りにされている」「プログラミングが高校生の頃から好きで、IT企業だけに絞って就活。今もやりがいを持って勤務している」等の方々ももちろん多いです。
まとめ
視野を広げることは、「軸がぶれている」のではありません。むしろそれは、自分の専門性や興味をちゃんと理解しようとする前向きな行動です。
最終的な就職は同じ大学・学科であっても人によってさまざま。自分に合った就活の戦略を考え、悔いが残らないよう全力で取り組んでいきましょう!