【理系就活】ゲーム開発職の種類と業界タイプ別企業選びについて解説

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「ゲーム」といえば、十数年前は据え置き型のゲーム機が中心でした。でも今は、スマホゲームが通学中やちょっとした休憩時間の楽しみになり、VR・ARなど新しい技術も次々と登場しています。このように多様化したゲームの裏側では、さまざまな理系技術が活かされています。

回路やプログラミングだけでなく、数学・物理・通信・センサーなど 、まさに理系の学びがつながる世界。今回は、そんな「ゲーム開発」と「理系」の接点をテーマに、職種、必要スキル、企業タイプなどを紹介します。

ゲーム開発職の種類

ゲーム開発では様々な仕事がありますが、ここでは理系の知見を活かせる仕事を4つ紹介します。

 

1.ゲームプログラマー

【仕事内容】

・家庭用ゲーム機(Switch、PlayStationなど)、PC、スマートフォン向けゲームのプログラミングを担当。

・設計書に基づき、開発環境の構築からコーディング、テスト・デバッグ、運用保守まで幅広く携わる。

・フロントエンドでは、ユーザーが操作・視認する部分を開発。

・サーバーサイド(バックエンド)では、ガチャ処理やオンラインマルチプレイの同期など裏側のシステムを開発。

 

【求められる知識・技術】

・C++、C#、Python、Swift、Kotlin などのプログラミング言語

・アルゴリズム、データ構造の理解

・Unity、Unreal Engine といったゲームエンジンの基本操作

・AWS などクラウド基盤の構築・運用

・分散システムの概念やスケーラビリティ設計

 

2.グラフィックスエンジニア

【仕事内容】

・3Dモデルのアニメーション、ライティング、エフェクトなど、ゲームのビジュアル表現を専門的に担当。

・物理法則に基づいた動きやリアルな描画を実現し、ゲームの没入感を高める。

 

【求められる知識・技術】

・3D数学(ベクトル、行列、クォータニオン)

・物理演算の基礎(重力、反射、慣性など)

・レンダリング技術(3Dモデルを3D空間に配置→カメラや光源などを考慮し、2D画面で表現)

 

3.組み込み/ハード開発エンジニア

【仕事内容】

・ゲーム機本体やVR機器、コントローラーなどのハードウェア設計・制御を担当。

・センサー、振動モーター、無線通信など、物理機構を制御するファームウェアや回路設計を行う。

 

【求められる知識・技術】

・回路設計、マイコン制御、センサー連携

・C言語、HDL(ハードウェア記述言語)などのプログラミング

・ソフトウェア/ハードウェアの両面に関する基礎知識

・メカトロニクス、制御工学の理解

 

4.テクニカルアーティスト(TA)/ツール開発

【仕事内容】

・アーティストとエンジニアの橋渡しとして、制作フローを効率化するツールを開発。

・DCCツール(Maya、Blender など)とゲームエンジンを連携させるスクリプトやプラグインを制作し、アートパイプラインを最適化。

 

【求められる知識・技術】

・Python、C# などによるツール開発スキル

・Maya、Blender などの DCCツール操作経験

・UI/UX の基本知識と技術を理解し、両者をつなぐバランス感覚

 

4つの仕事については以上ですが、ゲームを開発するためには他にもプランナー/ディレクター/プロデューサー/デザイナー/サウンドクリエイター/シナリオライターなど、多くの方々が連携しながら取り組んでいます。自分自身の関心に応じて、チェックしましょう!

 

職種別に求められるスキル

企業によりますが、ほとんどのスキルは入社後に習得します。ただし、人気企業では実際にゲーム開発など自主的に行った学生を歓迎する事例もあるので、まずはできることから始めてみましょう。

 

1.開発スキル(まずは自力で動かせる技術力)

・開発言語:C++、C#などのオブジェクト指向言語。

・ゲームエンジン:Unity、Unreal Engine の基本操作・スクリプト実装。

・数学・物理の基礎:3D表現に必要なベクトル演算や衝突判定など。

 

▶︎「簡単なゲームを自作してみる」は最初のステップ。一連の流れを理解し、ゲームを作るという視点が得られます。また自作ゲームは制作物(ポートフォリオ)として、就活でもアピールできます。

 

2.論理的思考力(ロジカルシンキング)

・仕様を整理し「要件→設計→実装→検証」という順序で作業を進める。

・不具合や想定外の挙動が出た際、起点から原因を特定し逆算して修正する。

 

▶︎日常のなぜ?どうして?という疑問を意識して考える習慣が、バグ・トラブルへの対処力を高めます。

 

3.情報感度(トレンドをキャッチする力)

・最新ゲームタイトルやヒットジャンルの動向を把握。

・AI、VR、AR、ブロックチェーンなど新技術の進化を注視し、自社開発への応用を検討。

・各ゲーム会社の強みや開発文化(開発規模/アジャイル/スクラムなど)を調査。

 

▶︎“ただ遊ぶ”だけでなく、“仕組みを読む”視点も大事。例えばポケモンGOがリリースされた時、ゲームと現実世界が重なる体験が加速的に広がりました。トレンドや新しい技術を常に探ることも重要です。

 

4.継続的な学習意欲と粘り強さ

・新しい言語やミドルウェア、開発環境が次々と登場する業界のため、常に自己学習が求められる。

・行き詰まったときは自力で調べ、トライ&エラーを繰り返しながら問題を解決する

 

▶︎「学ぶこと自体を楽しむ姿勢」がある人は、急速な技術変化にも柔軟に適応できます。

 

5.“好き”を“仕事”にする覚悟

・単なる「ゲームが好き」ではなく、「プレイヤーを楽しませたい」という強い意志を持つ。

・希望職種以外の業務であっても前向きに取り組み、自社タイトル全体への理解を深める。

 

▶︎エンターテインメントを創るクリエイターとしてのプロ意識を持ち、「チームの一員として何を成すべきか」を常に考えられるかが成功の鍵です。

 

ゲーム業界をタイプ別にチェック

ゲーム開発企業は主に以下の5タイプに分かれます。まずは自分のスキルや志向がどこに合うかを理解し、企業選びの参考にしてください。

 

1、プラットフォーム系企業

・例:任天堂、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、マイクロソフトなど。

・主な事業:自社プラットフォーム(ゲーム機本体)とソフト開発を同時に進めることで、ハードとソフトの最適化を実現。

・求人例:組み込みソフト・ファームウェア開発、機構設計に加え、自社IPを活かしたゲームタイトルの企画・開発など。

 

▶︎ハードウェアとソフトウェアの両方を通じて、一貫したユーザー体験を作り上げたい人などおすすめ。

 

2.ソフト中心の企業(パッケージ/大作系)

・例:カプコン、セガ、スクウェア・エニックス、ゲームフリークなど。

・主な事業:家庭用・PC・スマホ向けの大規模ゲームタイトルの企画・制作。

・求人例:ゲームプログラマー、グラフィックスエンジニア、ゲームデザイナーなど

 

▶︎多様な専門家と連携し、特定のゲーム(ポケモン,ソニック,FF等)や特定分野(AI、3D、シナリオ等)を極めたい人などおすすめ。

 

3.スマホ・アプリ系の企業

・例:Cygames、MIXI、DeNA、ラセングル、アカツキゲームス、10ANTZなど。

・主な事業:スマートフォン向けオンラインゲームやアプリの企画・運営。

・求人例:バックエンド開発、フロントエンド開発、SRE、プロダクトマネージャーなど。

 

▶︎リリースまでのサイクルが速く、継続的なアップデートや運用に携わりたい人などおすすめ。

 

4.技術支援・インフラ系企業

・例:Unity Technologies、Epic Games(Unreal Engine 提供)、Amazon(AWS for Games)など。

・主な事業:ゲームエンジン・クラウドサービス・ミドルウェアの開発・提供

・求人例:エンジン開発、プラグイン開発、クラウドインフラ設計、SDK・API開発など

 

▶︎ゲームそのものではなく、開発環境やインフラ基盤を支えたい人などおすすめ。

 

5.受託/委託開発系企業

・例:トーセ、エクストリーム、フレイムハーツなど。

・主な事業:他社からの発注を受け、企画・仕様に従ってゲームを開発・実装。

・求人例:バックエンド開発、フロントエンド開発、インフラエンジニア、プロジェクトマネージャーなど。

 

▶︎さまざまなジャンル・プラットフォームの開発に携わりたい人などおすすめ。

 

これら5タイプの中で、自分の「やりたいこと」「得意技術」「働く環境」にフィットする企業を探していきましょう。

 

まとめ

ゲーム開発の世界では、ソフトウェア・ハードウェア・AI・アルゴリズム・数学・通信・センシングなど、理系の技術があらゆるところで活かされています。

特に今は、スマホやクラウドの普及で開発領域が拡大し、理系人材の活躍の場も広がっています。あなたの学んできたことが、“面白さ”という形で世の中に届くかもしれません。「ゲームをつくる側になる」という選択肢も、就活における可能性の1つです。

 

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